知っておきたい介護現場での接遇の必要性

介護の仕事をする中で、研修では上手くできたのに実践では思うように仕事が進まないと感じた経験のある方は多いのではないでしょうか。一生懸命に利用者と向き合っているつもりでもなかなか心を開いてもらえない、そんなときにどう接していいのか分らないと感じるのであれば、接遇の知識を身に付けるのも一つの手。一般的なサービス業のみならず、介護業界においても接遇に対する必要性が高まってきています。

なぜ、介護業界で接遇の必要性が高まったのでしょうか。理由として挙げられるのは二つ。一つ目は、介護保険が導入されたことで、介護が「サービス」として提供されるようになったこと。導入前は、行政による措置という扱いだったのがサービスへ変化したため、利用者側がどのような介護を受けるか選択できるようになったのです。二つ目は、参入業者の増加による競争の激化。これまでは、社会福祉法人や医療法人、自治体といった一部の法人のみ運営されていたものが、介護保険導入で民間企業の参入も可能となり、多くの企業が事業所を展開。これにより、事業所は他の事業所と差別化を図るべく、サービスだけなく接遇も重視するようになったのです。利用者が介護サービスを選べるようになった今、利用者の目はますます厳しくなる傾向にあります。事業所毎に多彩なサービスを提供しているため、利用者は自分に合ったサービスを選ぶことができ、なおかつインターネットの普及により、簡単に情報を手に入れることができます。このように、接遇力の高さがサービスを選ぶうえでのポイントの一つになるといっても過言ではありません。