利用者に気持ちよく毎日を過ごしてもらうためにも、介護士にとって接遇は欠かせない考え方です。接遇と似た言葉に接客がありますが、こちらは利用者が求めるサービスを提供するという意味で、接遇の意味とは異なります。一方接遇はただ接するだけでなく、ホスピタリティを重視し、相手が快適にサービスを利用してもらうためにもてなすことを意味します。相手が言葉にしなくても想いを感じられる観察力や相手が求めている物が分かる傾聴力など、接遇に含まれる要素はさまざま。接遇スキルを高めることで、利用者にとって安心して頼ることができる人になれると良いでしょう。
中でも、身だしなみに気をつけることは、良い第一印象を持ってもらうためにも大切な要素です。相手が不快に感じないように清潔感や機能性を重視した服装を心がけるようにしましょう。客観的な視点を意識して、爪は伸びていないか、メイクは派手でないか自分自身でしっかり確認するのが重要です。また、振る舞いや態度も気をつけるべきポイントです。相手が話をしているときは、ながら対応ではなく目を見て聞く姿勢を示すようにしましょう。例えば、相づちを打つことでも、きちんと話を聞いてもらえるという嬉しさにつながります。さらに、話すときの言葉遣いも、相手の外見や性別によって変えず、誰が聞いても問題ない話し方を心がけると良いです。親しみは大切ですが、なれなれしく接してしまってはいけません。その他にも、お願いや注意をするときは「失礼ですが」「差し支えなければ」などのクッション言葉を用いることで、優しい印象になります。